前撮りの依頼を受けて、撮る場所を決めるところで止まります。「前撮りは撮影許可が要る」と出てくるからです。
ところが、公式の案内を開くと書いてあることが逆になります。国営の昭和記念公園は、カメラマンが同行する前撮りでも申請が要りません。一方、東京都公園協会は、申請が必要な例として婚礼写真の前撮りを挙げています。
どちらも正しいです。
同じ「前撮り」でも、要る場所と要らない場所があります。要る・要らないを分けているのは、前撮りかどうかではありません。その場所の管理者が、何を見て判定しているかです。
今日お伝えするのは、管理者ごとに違う判定のしかたと、自分の前撮りがどちらに入るかの確かめ方です。公式の案内に書かれていることだけで並べます。
場所の管理者ごとに、見ているところが違います。 公園だけでも、国営・都立・区立・市立で判定のしかたが分かれます。
| 管理者 | 何を見て判定するか | カメラマンが同行する前撮り |
|---|---|---|
| 国営(昭和記念公園) | 園内で金銭の授受があるか | 園内で払わなければ申請不要 |
| 都立(東京都公園協会) | 場所を排他的・独占的に使うか | 申請が必要な例に挙がっている |
| 区立(江東区立) | 商業目的か、撮影で収入を得るか | 収入を得るなら必要 |
| 市立(横浜市) | 撮影者と被写体のどちらかに金銭の授受があるか | 報酬を受けるなら必要 |
| 神社 | 境内の規定による | ご家族が社務所に相談する |
撮影許可とは、その場所の管理者が、場所を撮影に使うことを認める手続きです。 名前は同じでも、根拠になっている条例や規定が管理者ごとに違います。だから判定のしかたも違います。
「お金をもらうかどうか」で統一されていません。 昭和記念公園が見ているのは「どこで」お金を受け取るかです。都立公園が見ているのは、お金ではなく場所の使い方です。
だから、同じ依頼を同じ日に受けても、場所を変えると答えが変わります。
園内でお金を受け取らなければ、申請が要らないからです。 公園の案内に、条件がそのまま書かれています。
結婚式の前撮り等でカメラマンが帯同し撮影される場合で、園内での金銭の授受がなく
(出典:撮影申請(国営昭和記念公園))
成人式の前撮り、家族の記念写真、コスプレ撮影も同じ扱いです。
ここで効いてくるのが「園内での」という言葉です。 禁止事項には、園内での客引き・契約行為・金銭授受が入っています。撮影そのものは申請が不要でも、園内で料金を受け取った時点で条件から外れます。
だから、精算は公園の外で、または事前か事後に済ませます。 当日その場で現金を受け取る段取りは組めません。
申請が要るのは、次の3つに当たるときです。
この3つに当たると、実施の1か月前までに申請書を出します。詳しい手順は昭和記念公園の撮影許可は、前撮りでも要るのかに並べています。
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場所を自分たちだけで使う撮影だと見られるからです。 東京都公園協会は、2つを分けて案内しています。
分かれ目は、お金をもらうかどうかではありません。 その場所を、しばらく自分たちだけで使うかどうかです。
同協会は、申請が必要な例としてモデル撮影・撮影会・婚礼写真の前撮り・テレビや動画の撮影を挙げています(出典:よくあるご質問(東京都公園協会))。
衣装を広げ、レフ板と三脚を立てて、同じ場所を続けて使う前撮りは、この例に当たります。 一方、歩きながら数カット撮るだけなら、報酬を受けていても、家族の記念写真の側に入ります。都立公園が見ているのは、営利かどうかではないからです。
迷ったら、その公園のサービスセンターに電話で聞きます。公園ごとの線引きは公園の撮影許可がいらないのは、どこまでかにまとめています。
撮影で収入を得るかどうかです。 江東区立公園は、商業目的または撮影に伴い収入を得る場合を申請の対象にしています。
この書き方だと、精算の場所を変えても外れません。 依頼を受けて報酬が発生した時点で、申請の対象になります。
料金も区によって違います。
| 静止画・1時間 | |
|---|---|
| 江東区立 | 1,997円 |
| 杉並区立・大田区立 | 1,997円 |
| 港区立 | 6,757円 |
同じ1時間で3倍以上の差があります。 前撮りを2時間で組むと、江東区立なら3,994円、港区立なら13,514円です。見積りに載せる金額が変わります。
この金額は条例で決まっているので、改定されます。 公園の資料に載っている金額と、現行の規則の金額が一致しないこともあります。申請の前に、必ずご自身で最新の要件を確認してください。
ご家族です。カメラマンではありません。
公園は条例が根拠で、条例は「業として撮影する人」を申請の相手にしています。神社は境内の規定なので、参拝するご家族が社務所に相談する形になります。
つまり同じ前撮りで、申請する人が入れ替わります。 公園は撮る人、神社は撮られる人です。
太宰府天満宮のように、カメラマン組合に加盟して許可証を持つ人だけが撮れる神社もあります。境内使用料はお子さま1人につき3,000円です。
神社での前撮りを受けるなら、ご家族に「社務所に連絡をお願いします」と先に伝えます。 伝えていないと、当日に断られます。神社ごとの違いは神社の撮影許可は、誰が取るのかに書きました。
1〜2名の撮影なら、30㎡以下の区分で1時間100円です。 旧岩崎邸庭園が、面積の区分を人数に翻訳した表を公開しています。
| 区分 | 参考面積 | 人数の目安 | 占用料(1時間) |
|---|---|---|---|
| 30㎡以下 | 5m×6m、畳20畳分 | 1〜2名程度 | 100円 |
| 30㎡超〜100㎡以下 | テニスコート半面程度 | 3〜5名程度 | 500円 |
| 100㎡超 | — | それ以上 | 1,000円 |
カメラマン1人と新郎新婦2人なら、3名です。 人数の目安では、30㎡超から100㎡以下の区分に入ります。
ただし、区分を決めているのは人数ではなく面積です。 上の人数は、旧岩崎邸庭園が面積を分かりやすく言い換えたものです。3名でも5m×6mに収まるなら、窓口の判断は変わることがあります。申請のときに、人数と機材と撮る範囲を伝えて確かめてください。
衣装を替える前撮りは、着替えの場所を庭園の外に用意する前提で組みます。 区立の目白庭園は赤鳥庵という建物を貸していますが、都立の文化財庭園に着替えの場所はありません。
庭園ごとの申請先と期限は庭園の撮影許可は、いくらで、いつ取れるのかに並べています。
土日に許可が下りる場所は、限られます。 前撮りの依頼は土日に入るので、ここが実際にいちばん困ります。
| 場所 | 土日祝 |
|---|---|
| 代々木公園(都立) | 1日5件まで撮れる |
| 山下公園(横浜市) | 商業撮影はウェディングだけ許可が出る |
| 日比谷公園(都立) | 撮影の枠は午前1件・午後1件 |
| 砧公園(都立) | 日曜・祝日は原則として出ない。土曜は11時30分まで |
| 水元公園(都立) | 年末年始を除く平日のみ |
| 区立庭園(目白・肥後細川・平成) | 撮影できない |
山下公園だけは、土日祝にウェディングの許可が出ます。 ただし土日祝に許可が出る商業撮影はウェディングだけなので、七五三やお宮参りは平日しか撮れません。使用料は写真15,000円です。
ご家族の希望日を聞く前に、曜日の条件が違う候補地を3つ用意しておきます。
この記事は、許可が要るかどうかの判定を扱っています。撮る場所そのものを選ぶなら、別の記事にまとめました。 結婚写真はフォトウェディングのロケーション10選で10か所を比べています。七五三は七五三の撮影は、土日にどこで撮れるのかです。
撮影を始める15分前までに窓口に行って、現金で払います。
日比谷公園の手順が、都立公園の標準的な形です。
| やること | 期限 | |
|---|---|---|
| 1 | 電話で空き状況を確認する | 早いほどよい |
| 2 | 仮申請の書類をFAXする | 14日前から3日前の16時まで |
| 3 | 可否の連絡を待つ | 審査に1〜3日 |
| 4 | 当日、窓口で本申請して占用料を払う | 撮影開始の15分前まで |
この手続きが終わるまで、撮影は始められません。 ご家族との待ち合わせは、窓口の手続きが終わる時刻に設定します。
占用料は現金で、釣銭のないように用意します。 お台場海浜公園の案内には、一度納めた占用料は天候で撮れなくなっても返ってこないと書かれています。雨の予報が出ている日は、順延の判断を前日に済ませます。
撮る場所の管理者を先に調べます。 判定のしかたは管理者ごとに違うので、場所が決まらないと答えが出ません。
迷ったら、電話で聞きます。 「○月○日に、カメラマン1人と、撮られる方2名の前撮りで、三脚を使って1時間ほど撮りたいのですが、申請は必要ですか」と、人数と機材と時間を伝えます。この3つがないと、窓口も答えられません。
未経験から始める手順、広告費をかけずに依頼を受ける方法、実際にいくらになるのかの収益シミュレーション。全4部構成の無料オンライン講座で公開しています。
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成人式の前撮りの相場は成人式前撮りのカメラマンは1万〜4万円に、結婚式に持ち込みで入るときの条件は持ち込みカメラマンで結婚式を撮るにはに書いています。
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執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)
柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。
監修:小椋 翔(フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)
一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。
この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。
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