神社での出張撮影に許可が要るかを調べると、「事前に確認しましょう」という説明が出てきます。ただ、誰が確認するのかまでは書かれていないことがほとんどです。
ここが、神社と公園で逆になります。
| 場所 | 確認・申請するのは |
|---|---|
| 神社・寺 | お客さま |
| 公園 | カメラマン(自治体への行為許可申請) |
順番に説明します。
出張撮影のfotowaは、よくある質問でこう案内しています(2026年8月21日時点、撮影場所の撮影許可の取り方が分かりません)。
必ず神社や公園などの施設の管理者の方に、ご確認お願いいたします
この案内は、依頼する側に向けて書かれています。 神社への連絡先は神社のサイトに載っている電話番号、公園なら「◯◯公園 管理事務所」で検索する、という具体的な手順まで示されています。
伝える内容も決まっています。日時、目的、そしてプロのカメラマンを呼ぶこと。 この3つです。
なぜお客さまなのか。神社にとって、参拝するのはお客さまだからです。祈祷を受ける当事者からの相談と、撮影業者からの申し込みでは、受け取られ方が違います。 そしてカメラマンが友人や家族のふりをして紛れ込むことは、プラットフォーム側が禁じています。
実際にどうしているかを、現役のカメラマンに聞いた調査があります。株式会社aMiが登録フォトグラファー109人に聞いたものです(2024年11月、フォトグラファーに聞く、神社の出張撮影ってどうしてる?)。
全員がお客さま任せではありません。 3割の人は自分でも確認しています。理由も書かれていて、お客さまが許可を取っていなかった場合のトラブルを避けるためです。
ここで断られることもあります。 そのときは撮影場所を変える相談になります。依頼を受けた時点でこれを伝えておかないと、直前に予定が崩れます。
依頼を受けてから当日までの進め方は、公式メールマガジンでも説明しています。
なお、下見をカメラマンがすることを施設が求める場合、その費用はお客さまの負担になる、という案内もあります。
公園は、根拠が条例だからです。
たとえば千葉県立都市公園条例は、行為許可が必要なものとしてこう挙げています。
業として写真又は映画を撮影すること
「業として撮影する人」が申請の相手です。 撮られる側ではありません。
横浜市は判定の基準を公開していて、撮影者と被写体のどちらかに金銭の授受があれば商業撮影として扱います。商業撮影の使用料は写真15,000円、動画30,000円(いずれも4時間以内)です。
つまり神社では「参拝するご家族が相談する」、公園では「仕事として撮る人が申請する」。同じ撮影許可でも、窓口も申請者も違います。
2023年10月5日、fotowa・OurPhoto・Lovegraphの3社が共同で「神社仏閣撮影ガイドライン」を制定しました(ピクスタ プレスリリース。監修:十日恵比須神社)。
作られた理由は、はっきり書かれています。出張撮影が増えた結果、神社仏閣の運営法人や他の参拝者に迷惑をかける事例が発生していたからです。
内容は撮影前と撮影中に分かれています。
撮影前に確認する4つ
1. 撮影可否 — 境内での撮影について事前に確認し、必要に応じて許可申請を行う
2. 撮影可能範囲 — どこまで立ち入っていいか。立ち入り禁止の場所や、撮影してはいけないタイミングがある
3. ストロボ使用可否 — 原則として使用しない撮影計画を立てるのが望ましい。必要な場合は必ず許可を得る
4. 服装・身だしなみ — 露出の多い服装、ジーンズやサンダルは避ける
撮影中に守る5つ
1. 祈祷の前後で撮影する — 祈祷中の撮影を禁止している寺社は多い
2. 祭壇が写らない配慮 — 祈祷中の撮影が許可された場合でも、祭壇をメインに撮らない
3. 会話は小さな声で
4. 荷物はコンパクトに
5. 敬意を込めた行動 — 鳥居や門の前で一礼する。参道の正中(真ん中)は神様の通り道なので、左右によけて撮影する
3のストロボは、機材の話ではなくマナーの話として書かれています。 ここを知らずに立てると、その場で止められます。
確認せずに現地へ行くと、当日に断られます。公式サイトに明記している神社があります。
明治神宮(2026年8月21日時点、参拝の作法・ご注意)
プロカメラマンに依頼しての記念撮影はお控えください。
熱田神宮(取材・撮影に関わるお願い)
お宮参り、七五三詣等のプロのカメラマンを同伴しての撮影は許可しておりません。
大阪天満宮は2026年4月1日から、さらに踏み込んでいます(境内撮影に関するお知らせ)。
お宮詣りと七五三詣りについてのみ 外部撮影業者による撮影(カメラ・ムービー全て)は勿論のこと、家族・親族・友人・知人に違わず境内での撮影を全面禁止(但し、特例措置として、スマートホン…のカメラのみは除きます。)
カメラマンだけでなく、家族が一眼で撮ることも禁止されました。
一方で、手続きをすれば受け入れている神社もあります。鶴岡八幡宮は同意書の提出と神事維持初穂料3,000円、顔写真付きの身分証の提示を求めたうえで、祈祷が終わったあとの撮影を認めています。太宰府天満宮はカメラマン組合に加盟して許可証を持つ人だけが撮れる形で、境内使用料はお子さま1人につき3,000円です。
※各社の規定は2026年8月21日時点のものです。規定は変わります。必ずご自身で最新のものを確認してください。
順番はこうなります。
1. その神社のサイトを開く。 撮影に関する記載があるか見る
2. 記載がなければ、お客さまから電話で確認していただく(日時・目的・プロを呼ぶこと)
3. 断られた場合の代替案を、先に用意しておく
4. 公園を使うなら、自分で自治体に行為許可を申請する
5. 当日は、祈祷の前後に撮る前提で組み立てる
技術より前に、この確認が仕事の質を決めます。 撮れなかった日は戻ってきません。
写真を仕事にするまでの手順は、公式メールマガジンで配信しています。撮り方・仕事のありか・値段の決め方を、曜日ごとに分けて隔日でお届けします。登録はメールアドレスだけです。
禁止が増えている理由は神社の撮影禁止はなぜ増える?、公園側の手続きは公園の撮影許可は必要?にまとめました。
当日の進め方は七五三写真の撮り方、機材の判断はストロボの使い方にまとめています。
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執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)
柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。
監修:小椋 翔(フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)
一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。
この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。
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