カメラマンへの転身は、経歴もきっかけもばらばらです。ただ、実際にたどった道筋を見ていくと、最初の一歩には共通点があります。
ここでは、SNSやnoteで自身の経緯を公開している2人の実例を取り上げます。1人はうまくいった側、もう1人は一度つまずいた側です。両方見ることで、何が明暗を分けたのかが見えてきます。
YouTubeへの動画投稿のためにカメラを買ったことでした。しばらくはオート設定のままだったといいます。
転機になったのは、カナダのYouTuber、Peter McKinnon氏の動画を見たことでした。「一般人がこれほど映画のような映像を撮れる時代なのか」という衝撃が、そこから本格的に学び始めるきっかけになったと、本人がnoteで振り返っています。
(出典:Toshiki Shibata「カメラ未経験から1年半で仕事が少し来るカメラマンになった経緯」)
機材でも資格でもなく、「これなら自分にもできるかもしれない」と思えた瞬間が、最初の一歩になっています。
海外のYouTuberの動画を徹底的に見て、撮り方と編集を真似ることでした。MKBHDなどを挙げています。
スクールに通うのではなく、すでに結果を出している人の動画を教材にしたというのが、この段階の特徴です。上京前後の時期にはギタリストとしての活動を志していましたが、住居の事情もあって音楽での生計は難しくなり、カメラでの活動に比重が移っていきました。
友人の紹介、現場での偶然の出会い、投稿を見た人からの連絡の3つの経路から来ました。
| 経路 | 内容 |
|---|---|
| 友人の紹介 | 留学前から交流があったカメラマンの友人経由でMV・ライブ撮影の現場に入る |
| 現場での偶然の出会い | ライブハウスで、投稿していたYouTube動画の視聴者と会って接点ができる |
| 展示会での声かけ | 楽器フェアなどの音楽関連イベントにカメラを持って行き、その場で依頼される |
さらに、Vlogを投稿し続けたことで、メールやTwitterのDMで「将来仕事をお願いしたい」という連絡が来るようになったといいます。ここまでで約1年半、月に最低2本の仕事を継続的に受けられる状態になりました。営業をかけたのではなく、発信を続けていた場に依頼が来た形です。最初の仕事の取り方は他にもいくつか経路があり、撮影の仕事はどこで受けるのかにまとめています。
転身のきっかけになった実例/最初の依頼が来た経路/分野ごとの向き不向き。このあたりを、写真を仕事にする方法を整理した無料レポートで詳しく紹介しています。
独立後にいったん会社員に戻った実例もあります。写真家・通訳案内士の其田有輝也氏の経験です。
つまずいた要因として本人が挙げているのは、単価5万円前後の単発の結婚式・家族写真案件が中心だったこと、SNSでの集客だけでは限界があったこと、そして格安で撮る若手が多く競争が激しかったことです。「40代50代になっても稼ぎ続けられるイメージが持てなかった」という振り返りは、若い時期の勢いだけでは続けにくい仕事だという現実を示しています。
(出典:其田有輝也「独立フリーランスカメラマンを失敗して得られた7つの教訓」)
其田氏はその後、通訳案内士・気象予報士という別の資格を組み合わせ、価格競争になりにくい専門分野を作る方向に進んでいます(通訳案内士は国家資格で、取得要件は年により変わることがあるため、目指す場合は観光庁の最新情報を確認してください)。
| Shibata氏(軌道に乗った) | 其田氏(一度つまずいた) | |
|---|---|---|
| 最初の仕事の取り方 | 発信を続けた場からの依頼 | 単発案件への応募 |
| 競合との関係 | ジャンルが被りにくい発信起点 | 格安で撮る若手と同じ市場 |
| 続け方 | 依頼が依頼を呼ぶ流れができた | 専門分野を組み合わせて再設計 |
うまくいった実例だけを見ると再現性があるように見えますが、同じような始め方をしても、市場が混み合っている領域に入ると苦戦することが、もう一方の実例から分かります。どちらも「実際に行動した人の結果」という点は同じです。
未経験からでも、実例のように仕事につながりますか?
2つの実例とも、最初から仕事があったわけではありません。発信や現場経験を積み重ねた期間があった上での結果です。始めてすぐに依頼が来るとは限らないと考えておくのが実態に近いです。
フリーランスとして独立する前に、会社員のまま準備する方法はありますか?
其田氏の実例のように、いったん独立してから会社員に戻り、別の専門性を組み合わせて再挑戦する道もあります。最初から独立一本に絞らなくても、進め方は複数あります。
どの分野のカメラマンを目指すかは、いつ決めればいいですか?
其田氏の実例が示すように、価格競争が激しい分野に同じやり方で参入すると苦戦しやすくなります。早い段階で、競合が少ない切り口を意識しておくと選択肢が広がります。
公開されている記事の内容は2026年9月に確認したものです。
## この記事のまとめ
自分の場合はどこから始めればいいか、どんな分野に進む選択肢があるかは、無料の業界レポートで詳しく紹介しています。
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執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)
柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。
監修:小椋 翔(フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)
一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。
この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。
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