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撮影許可がいらない場所は?答えを持っているのは管理者

公園入口の案内板

「撮影許可がいらない場所」で検索すると、自宅・レンタルスタジオ・公道、という一覧が並びます。

ところが公道は、道路使用許可の対象です。 根拠は道路交通法77条1項4号で、申請先はその場所を管轄する警察署長です。

つまり、出てくる一覧そのものが当てになりません。公園も同じです。 東京都が管理する公園と、区が管理する公園と、国が管理する公園で、どこまでなら申請が要らないかの決め方が3つに分かれます。

今日お伝えするのは、その場所の管理者を調べて、聞くべきことを伝えられるようになる順番です。この記事は東京の例で説明しますが、管理者ごとに決め方が違うという話は、どの都道府県でも同じです。

撮影許可がいらない場所は、どこですか?

自宅と、自分が借りたレンタルスタジオです。この2つだけは、誰の許可も要りません。

撮影許可とは、ふだんの使い方を超えるときに、その場所の管理者が認める手続きです。自宅と借りたスタジオでは、管理者が自分なので、認める相手がいません。

それ以外の場所には、必ず管理者がいます。 そして、どこまでなら申請が要らないかを決めているのは、その管理者です。東京都建設局は、都立公園についてこう案内しています。

ご家族などの記念写真や風景写真を撮影する場合は、公園へ申請せずに撮影することができます。

(出典:都立公園等での撮影について(東京都建設局))

この1文を書いたのは、東京都建設局です。 だから、この1文が当てはまるのは、東京都が管理する公園だけです。

なぜ「公道は許可がいらない」と書かれているのですか?

動画を撮る人に向けて書かれた記事が、検索の上位に並んでいるからです。

2026年10月29日に、「撮影許可いらない場所」の検索上位20ページを調べました。20ページのうち5ページが、YouTubeやVlogの撮影についての記事でした。 自宅・自分の店・スタジオ・公道を「許可がいらない場所」として並べているのは、この5ページです。

手持ちのカメラで歩きながら撮るなら、たしかに申請は求められません。 問題になるのは、撮る人が三脚を立てて、人に立ってもらったときです。警察庁は、道路使用許可が必要な行為の4つめを、こう書いています。

道路において祭礼行事、ロケーション等をしようとする行為

(出典:道路使用許可の概要、申請手続等(警察庁))

同じページは、具体的にどんな行為が当たるかは、各都道府県の道路交通規則で定められていると書いています。 つまり、どの規模から申請が要るかは、都道府県ごとに違います。

警視庁は、電子申請(e-Gov)で申請できるとしていますが、手数料は署へ持参するよう案内しています。

(出典:道路使用許可申請手続きについて(警視庁))

東京都の規則の条文は、この記事では確かめられていません。 公道で三脚を立てる予定があるなら、所轄の警察署に電話して、その撮影が当たるかを聞いてください。電話のときに伝えることは、この記事の後半にまとめました。

同じ公園なのに、なぜ答えが3つに分かれるのですか?

管理者が3者いるからです。東京都、区、そして国です。

2026年10月29日に、それぞれの公式ページで確かめました。

管理者公園の例申請が要るのは
東京都代々木公園、井の頭恩賜公園モデルを撮ることと機材で場所を占めることが、両方そろったとき
江東区区立の公園(区によって決め方が違います)商業目的のとき、または撮影で収入を得るとき
国(昭和記念公園)国営昭和記念公園園内でお金を受け取るとき

東京都は、営利かどうかを見ていません。 井の頭恩賜公園のページが、いちばん具体的に書いています。

撮影目的が営利・非営利に関わらず、次の二つの要件を満たす場合は占用許可が必要です。[1]公園本来の目的以外の使用 撮影の被写体になるモデル等 [2]公園の排他的・独占的使用 撮影用小道具・機材

(出典:井の頭恩賜公園での撮影について(東京都建設局 西部公園緑地事務所))

「二つの要件」が両方そろったときです。 モデルを撮るだけ、三脚を立てるだけなら、片方しか当たりません。同じページは、レフ板や撮影用機材を持ち込んでモデル撮影会を行うとき、テレビや映画等の撮影で一定の場所を一定の時間使うときに申請が必要としています。

いっぽう江東区は、お金で分けています。

撮影を商業目的で行う場合又は撮影に伴い収入を得る場合

(出典:区立公園内での撮影許可について(江東区))

国営の昭和記念公園は、お金を受け取る場所で分けています。 カメラマンが同行する結婚前の記念写真でも、園内でお金を受け取らなければ申請は要りません。逆に、園内で料金を受け取った時点で、申請が要る撮影になります。

同じ「家族写真を1時間撮る」でも、3つの公園で答えが変わります。 だから「公園は申請が要るか」という問いには答えが出ません。答えが出るのは「この公園の管理者は誰か」まで決めたあとです。

東京の公園ごとの条件は公園の撮影許可がいらないのはどこまでか、国営の昭和記念公園は昭和記念公園の撮影許可は前撮りでも要るのかに、申請の期限と料金まで並べました。

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駅や神社は、誰が決めているのですか?

その施設を持っている会社や、神社そのものです。法律に、駅や神社での撮影を許可する制度はありません。

公園には条例があり、公道には道路交通法があり、河川には河川法があります。駅・商業施設・神社にあるのは、施設管理権です。 自分が管理する場所の使い方を、自分で決められる、というものです。

だから駅には、申請書を出す窓口がありません。JR東日本は、個人が趣味で撮る場合について、こう案内しています。

収益性のある動画共有サイトへの投稿等の営利活動を除き、個人的な趣味の範囲での録音・撮影につきましては、安全上の問題がなく、ほかのお客さまのご迷惑にならなければ、特に禁止をしているものではございません。

(出典:電車内や駅構内で列車等の撮影をしたいです。(JR東日本))

同じJR東日本は、お金をもらって撮る場合について、こう書いています。

個人の営利活動における駅や列車内など弊社の保有する施設内での各種撮影はご遠慮をいただいております

(出典:JR東日本が保有する列車内や駅などの施設内で撮影することはできますか。(JR東日本))

JR東日本は、法人の取り組みなら内容によって相談を受けると書いています。 窓口はグループ会社の株式会社ジェイアール東日本企画です。

ここで、東京都の都立公園と見ているところが逆になります。 東京都は営利かどうかを見ていません。JR東日本は営利かどうかで分けています。同じ「お金をもらって人を撮る」撮影が、都立公園では2つがそろわなければ申請不要で、駅では遠慮してほしいと言われます。

三脚については、JR東日本が別に書いています。 運行中の列車に向けたフラッシュの使用、ホームでの脚立(踏み台)の使用、立ち入り禁止区域での撮影を、列車の運行に支障をきたすおそれのある行為としています(出典は上のFAQ)。三脚そのものは、この案内に出てきません。ホームで脚を広げるなら、駅係員に聞いてください。

神社も施設管理権です。 そして神社では、カメラマンではなく、撮ってもらう人が確認する形が案内されています。その理由と、現役のカメラマン109人が実際に誰に確認しているかは、神社の撮影許可は誰が取るのかに書きました。

施設管理権の場所は、許可の制度がない代わりに、管理者の判断が変われば答えも変わります。 去年まで撮れた場所が、今年は断られることがあります。神社で撮影を断る例が増えている背景は、神社の撮影禁止が増える理由に並べました。

その場所の管理者は、どうやって調べますか?

次の4つの順番です。

  1. 場所の正式名称を調べる。 「都立」「区立」「国営」が名前に入っていることがあります
  2. その名前で公式ページを探す。 「◯◯公園 管理事務所」で出てきます
  3. 公式ページに撮影の案内があるか見る。 東京都・江東区・昭和記念公園は、上のとおり公式ページに書いています
  4. 案内が見つからなければ、管理事務所に電話する

ただし、名前に何も入っていない場所があります。 新宿御苑には「都立」も「国営」も付きませんが、環境省が管理する国民公園です。都立公園とも国営公園とも決め方が違い、2025年3月25日から個人の届出が不要になりました。 条件は新宿御苑の撮影許可にまとめました。

聞く先は、役所の代表番号ではありません。 区役所に電話しても都立公園のことは分かりませんし、都に電話しても区立公園のことは分かりません。管理者が違えば、答えを持っている人も違います。

庭園は、公園と別の料金と窓口です。都立の文化財庭園は庭園の撮影許可、区立庭園は区立庭園の撮影申請にまとめました。静止画1時間で、都立庭園は100円、江東区立は1,997円、港区立は6,757円です(東京都と各区の公式ページで、2026年10月15日に確認しました)。

管理者に聞くときは、何を伝えればいいですか?

次の5つです。 管理者はこの5つで答えを決めているので、最初から全部伝えると1回の電話で終わります。

  1. 日時と、撮影にかける時間
  2. 誰を撮るか。 家族の記念写真か、モデルを立たせるか(東京都は、ここを見ています)
  3. 持ち込む機材。 手持ちのカメラだけか、三脚・レフ板・照明を広げるか(東京都は、2とあわせて見ています)
  4. お金を受け取るか。受け取るなら、どこで精算するか。 江東区は受け取るかどうかを見ていて、昭和記念公園は園内で受け取るかを見ています
  5. 写真の使い道。 自分で持つのか、販売や公開をするのか

2と3と4が、管理者によって見るところの違う3つです。 どれを見ているかは管理者ごとに違うので、撮る人の側では、3つとも先に伝えます。

依頼を受けて撮るなら、お金をどこで受け取るかが段取りに関わります。昭和記念公園では、園内で料金を受け取れないので、精算を園の外で、または撮影の前か後に済ませます。

河川敷は、どこに出すのですか?

東京都が管理する河川なら、管轄の建設事務所です。そして出すのは許可の申請ではなく、届出です。

東京都建設局 西多摩建設事務所は、こう書いています。

※河川敷をロケや撮影などで、一時的に使用する場合は、届出・承認が必要です。

(出典:主な河川管理事務の紹介(東京都建設局 西多摩建設事務所))

この出典ページの更新日は、2018年1月26日です。 届出の様式と窓口は変わることがあります。

同じページは、河川区域で土地を使ったり工作物を設置したりする場合には、河川法24条・26条の許可が必要としています。 一時的な撮影は、その許可とは別の扱いです。三脚が工作物に当たるかは、このページに書かれていません。 届出のときに、建設事務所に聞いてください。

荒川・多摩川・江戸川は、国が管理しています。 占用許可を出すのは国土交通省の河川事務所です。東京都が管理する河川と窓口が違うので、まず河川の名前で管理者を調べてください。

この記事のまとめ

  • 誰の許可も要らないのは、自宅と、自分が借りたレンタルスタジオだけ
  • 検索に出てくる「いらない場所の一覧」に公道が入っているが、公道は道路使用許可の対象。上位20ページのうち5ページが、動画を撮る人向けの記事
  • 同じ公園で答えが3つに分かれるのは、管理者が3者いるから(東京都・区・国)
  • 東京都は営利かどうかを見ない。モデルを撮ることと機材で場所を占めることが両方そろったときだけ申請が要る
  • 江東区は収入を得るかで分ける。昭和記念公園は園内でお金を受け取るかで分ける
  • JR東日本は営利かどうかで分ける。東京都と見ているところが逆
  • 駅・商業施設・神社には法律の許可制度がない。あるのは施設管理権で、管理者の判断が変われば答えも変わる
  • 公道は道路交通法77条1項4号。申請先は所轄の警察署長
  • 河川敷は許可ではなく届出。東京都の河川と国の河川で窓口が違う
  • だから読者がやることは、場所を調べることではなく、その場所の管理者を特定して、5つを伝えること

各ページは2026年10月29日に確認したものです。料金も条件も改定されます。申請の前に、必ず最新の内容をご自身で確認してください。

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執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)

柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。

監修:小椋 翔(フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)

一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。

この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。

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このサイトの監修者の本

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版)

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版/2026年2月)
このサイトで扱っている「需要を先に見つける」という考え方は、この本がもとになっています。