依頼を受けて公園で撮るとき、断られ方は2つあります。「その日は撮れません」と「その料金では合いません」です。都立の水元公園は、年末年始を除く平日しか許可が下りません。
山下公園では、その2つが同時に来ます。 土日祝に許可が出る商業撮影はウェディングだけで、使用料は写真1件15,000円です。
ただし山下公園には、横浜市の他の公園に無い枠があります。撮影できる時間が、7時から21時までです。 この記事では、窓口・曜日・時間・料金・申請の5段階を、横浜市の公式案内から整理します。
横浜市みどり環境局の南部公園緑地事務所 都心部公園担当です。山下公園は横浜市の管理なので、都立公園や区立公園とは申請先が違います。
山下公園の撮影許可とは、横浜市公園条例に基づいて、公園の一部を自分たちの撮影のために使う許可(公園内行為許可)のことです。
この窓口が受け持つのは、山下公園だけではありません。中区と西区の大きな公園17園が、同じ窓口です。
| 区 | 主な公園 |
|---|---|
| 中区(13園) | 山下公園(山下町279)・横浜公園・港の見える丘公園・元町公園・山手イタリア山庭園・山手公園・根岸森林公園・大通り公園・本牧市民公園ほか |
| 西区(4園) | グランモール公園・高島中央公園・高島水際線公園・岡野公園 |
(出典:公園一覧・図面のダウンロード(横浜市)。2026年8月24日更新。全17園と各公園の平面図が載っています)
連絡先は、撮影の問い合わせ専用のメールアドレスが別に用意されています。
| 連絡先 | |
|---|---|
| 電話 | 045-671-3648 |
| ファクス | 045-550-3917 |
| メール(撮影専用) | mk-t-satsuei@city.yokohama.lg.jp |
| 窓口 | 横浜市中区本町6丁目50番地の10 市庁舎27階北側(青側) |
| 最寄駅 | JR・市営地下鉄「桜木町駅」、みなとみらい線「馬車道駅」1C出入口直結 |
問い合わせと申込の受付は、平日の8時45分から12時、13時から16時までです。 令和8年4月1日からこの時間になりました。
窓口の住所に、注意書きが添えられています。都心部公園担当は、港南台にある南部公園緑地事務所とは所在地が別です。 許可書を受け取りに行く先は、市庁舎27階です。
仕事として行う撮影と、公園の一部を独占して使う撮影です。 横浜市の案内は、根拠をこう書いています。
業として行う広告写真または映画の撮影その他これらに類する行為や、一時的に公園の全部または一部を独占して使用する撮影は、横浜市公園条例に基づく許可を必要とします。
(出典:横浜市都心部公園担当所管公園の撮影手続きについて(横浜市)。2026年10月27日更新。以下の引用も同じページです)
案内には、許可が必要な撮影の例が5つ挙げられています。
4つめに、記念撮影が名前で入っています。 七五三やお宮参りの出張撮影は、この5つのうちの1つとして扱われます。
報道のための撮影は、許可が必要ない場合があります。これだけは電話で問い合わせる扱いです。
公園によって、どこからが許可の要る撮影かの線引きは変わります。山下公園は、記念撮影を名前で挙げている側です。
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ウェディング撮影以外の商業撮影には、土日祝の許可が出ないからです。 横浜市の案内は、重要なお知らせとしてこう書いています。
ウェディング撮影に限定して、業として行う撮影であっても土日祝日の撮影を許可します(西洋館は除く)。
※ウェディング撮影以外の業として行う撮影は引き続き土日祝日の許可はできません。
山下公園の撮影できる日時を、表にすると次のようになります。
| 撮影の種類 | 平日 | 土日祝 |
|---|---|---|
| 商業撮影(ウェディング) | 7時〜21時の連続3時間以内 | 7時〜21時の連続3時間以内 |
| 商業撮影(ウェディング以外) | 7時〜21時の連続3時間以内 | 撮影不可 |
| 上記以外の撮影 | 7時〜21時の連続3時間以内 | 7時〜21時の連続3時間以内 |
七五三・お宮参り・成人式・プロフィール写真の出張撮影は、2段目に入ります。 依頼が土日に集まる撮影ばかりです。平日は会社員として働き、土日の撮影で月20件を受けている人にとっては、山下公園は候補から外れます。
いちばん下の「上記以外の撮影」は、仕事ではない撮影のうち、公園の一部を独占して使うものです。親が自分の子どもを撮る場合、周りを独占しなければ、そもそも許可の対象になりません。
ここで1つ、通らない考え方があります。「お客様の家族写真だから、仕事の撮影ではない」は通りません。 案内は、商業撮影の線をこう引いています。
私用目的であっても、撮影者及び被写体の双方もしくはいずれかに金銭等の授受が生じている場合は、商業撮影として扱います。
撮影料を受け取る側がカメラマンであっても、被写体であっても、商業撮影です。この一文は、使用料の節と申請書の注意書きに、2回載っています。
土日に撮れる場所を、先に持っておくことになります。同じ関東圏では、申請先ごとに土日の扱いが分かれます。
| 公園 | 土日祝の仕事の撮影 |
|---|---|
| 代々木公園(都立) | 下りる(1日5件まで) |
| お台場海浜公園(海上公園) | 写真は可・動画は不可 |
| 水元公園(都立) | 平日のみ |
| 新宿御苑(環境省) | 対価を受け取る記念写真は不可 |
| 山下公園(横浜市) | ウェディングだけ |
依頼を受けるときに場所をどう決めるかは、撮影の仕事の受け取り方にまとめました。
商業撮影は写真15,000円、動画30,000円です。 時間や面積での割り増しはなく、1件あたりの額です。
| 撮影の区分 | 写真 | 動画 |
|---|---|---|
| 商業撮影(業として行う撮影) | 15,000円 | 30,000円 |
| 上記以外の撮影(業にあたらない独占使用) | 3,900円 | 3,900円 |
同じ日に複数の公園で撮る場合は、公園ごとに手続きと支払いが必要です。案内は、テレビドラマの例で「30,000円×2公園=60,000円」と計算を載せています。
都立公園と比べると、額の作り方が違います。 水元公園や葛西臨海公園は、30㎡以下なら1時間100円です。山下公園の15,000円は、面積と時間に関係なく同じ額です。
使用料は、撮影料金とは別に出ていきます。依頼者に請求するのか、自分の撮影料の中から払うのかを、見積りの段階で決めておくことになります。
出張撮影サービス経由で受ける場合、1回の報酬はこの額と近い帯に入ります。ラブグラフのカメラマンの報酬は1回11,000〜30,000円、えんフォトは1件15,000円(税別)からです。使用料の15,000円を自分で持つと、1回ぶんの報酬が残らない計算になります。 料金の付け方から決めておく場所です。
支払い方法にも段取りがあります。窓口で納付書を受け取り、近くの金融機関で払い、領収印を確認してもらってから許可書を受け取ります。金融機関の窓口が開いている9時から15時30分の間に動く必要があります。
7時から21時までの間で、連続3時間以内です。 横浜市のよくある質問に、山下公園だけの例外として書かれています。
原則9時30分から17時までの3時間以内です。例外として、山下公園とグランモール公園は7時~21時までの3時間以内としています。
| 公園 | 撮影できる時間 |
|---|---|
| 山下公園・グランモール公園 | 7時〜21時の連続3時間以内 |
| 横浜市都心部のその他の公園 | 9時30分〜17時の連続3時間以内 |
| 山手西洋館の館内 | 9時30分〜12時の1時間以内(1館につき) |
3時間には、設営と撤収の時間が入ります。 機材を出して片づける時間を引いた分が、実際に撮れる時間です。
7時から21時という枠を持っているのは、横浜市都心部の17園のうち山下公園とグランモール公園の2つだけです。 平日の朝いちばんと、日が落ちたあとの時間が使えます。山下公園は海に面しているので、朝の斜光と、氷川丸が灯る時間を選べます。
持ち込める機材は、対応表で示されています。
| 機材 | |
|---|---|
| 持ち込める | 三脚・レフ板・照明機材・台車・発電機(養生が必要) |
| 持ち込めない | レール、クレーンなどの大型機材、紙ふぶきなど回収できないもの、降雨機、電源車 |
三脚とレフ板と照明は入ります。 記載のない機材は、個別に相談する扱いです。
公園内に車を入れることはできません。駐車を許可しているのは元町公園と山手イタリア山庭園だけで、1台1時間400円です。山下公園は対象外なので、機材は手で運ぶことになります。
電話で空き状況を確かめ、電話で予約し、その翌日16時までに申請書をメールで出します。 5つの段階があります。
段階ごとに、止まりやすい場所があります。
2つめで、問い合わせできる期間が決まっています。 電話した日の1週間後から2か月先までです。土日祝は受付をしていないので、案内はカウントの例を載せています。6月16日(日)に撮りたい場合、本来は6月9日(日)までですが日曜なので、6月7日(金)までに申し込むことになります。
3つめの電話予約は、許可の約束ではありません。 案内はこう書いています。
電話予約=許可をお約束するものではありません。申請書類を受理し、審査により許可が決定されます。
電話のときに、撮影時間・撮影場所・撮影内容・撮影方法を確認されます。先に現地のロケハンを済ませて、答えられる状態にしておく必要があります。 同じ内容であれば、予備日として2日間を予約できます。
4つめを飛ばすと、受け付けられません。 電話の申し込みをせずに申請書だけを出した場合、受付の対象外です。逆に、電話予約の翌日16時までに申請書が届かない場合は、キャンセルと判断されます。
当日の17時までに連絡すれば、返ってくる場合があります。 原則は返還なしで、例外が2つです。
| 連絡のタイミング | 返還 |
|---|---|
| 撮影日を除く5日前の17時まで | 対象 |
| 撮影日当日が雨天・荒天で、当日17時まで | 対象(判断は横浜市) |
| 前日に天気予報を見てキャンセル | 対象外 |
3段目が分かれ目です。案内は、前日の判断をはっきり断っています。
撮影日が雨のようなのでキャンセルしたいと撮影日以前にご連絡を頂いても申請者都合のキャンセル扱いとなり、返金はできませんのでご注意ください。
前日に「明日は雨なので延期しましょう」と決めると、15,000円は戻りません。 当日の朝に現地の天気で判断し、17時までに連絡する順番になります。雨天かどうかの判断は横浜市が行うので、連絡しても必ず返還されるとは限りません。
連絡は電話だけでなく、メールとファクスでも受け付けています。
申請先と、額の作り方と、土日の扱いの3つが違います。 同じ関東の公園でも、管理している相手ごとに分かれます。
| 山下公園(横浜市) | 都立公園 | お台場海浜公園(海上公園) | 新宿御苑(環境省) | |
|---|---|---|---|---|
| 土日の商業撮影 | ウェディングだけ | 公園によって分かれる | 写真は可・動画は不可 | 不可 |
| 使用料(写真) | 15,000円(1件) | 30㎡以下で1時間100円 | 30㎡以下で1時間100円 | ー |
| 撮影できる時間 | 7時〜21時の連続3時間以内 | 公園による | 6時〜24時 | 開園時間内 |
| 申請の出し方 | 電話予約→メール→窓口 | 公園ごとの窓口 | フォーム→電話で審査 | メール |
| 受付の期間 | 1週間後〜2か月先 | 公園による | 3日前13時まで | 5日前まで |
金額の差がいちばん大きい場所です。 都立公園は面積と時間で計算するので、家族写真の規模なら数百円で収まります。山下公園は、規模にかかわらず15,000円です。
庭園は庭園でまた別の決まりがあります。葛西臨海公園のように、1つの公園の中で窓口が8つに分かれている場所もあります。
山下公園で、仮予約はできますか?
できません。案内は「電話での予約は、お客様が撮影日を決めてからの受付となりますので、仮予約はできません」と書いています。撮影日を決めてから電話することになります。同じ内容であれば、予備日として2日間を予約できます。
許可が出ない撮影はありますか?
あります。ライブ配信(報道を除く)、車・バイク・自転車の撮影、ドローン(トイドローンを含む)、火気を使う撮影、人工的に雨や雪や落ち葉を降らす撮影、大きな音を出す撮影などです。長時間にわたって広い場所を占用する撮影も対象外です。
当日は、何を持っていけばいいですか?
許可書と、受け取った腕章(シール)です。撮影中は許可書を携帯し、腕章を付けます。許可書に書かれた条件のとおりに撮ることが条件です。
年末年始も撮れますか?
撮れません。令和8年12月29日から令和9年1月3日までは、撮影の受け入れが停止されます。年明け1月4日から1月11日までの撮影を希望する場合、予約の締切は令和8年12月18日です。
ほかに撮影を受け付けない期間はありますか?
公園ごとに設定されています。2026年10月27日時点の案内では、横浜公園(園内工事で令和9年3月31日まで)、グランモール公園、大通り公園、高島水際線公園(通年)などに受付停止期間があります。この一覧に山下公園は入っていません。 申し込む前に、最新の一覧を公式ページで確認してください。
ここまでの条件は、2026年10月27日時点の横浜市の案内によるものです。 受付時間や使用料、撮影できる日時は改定されます。土日の扱いも、ウェディング撮影を許可する扱いに変わったばかりです。申し込む前に、横浜市のページで最新の内容を確認してください。
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執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)
柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。
監修:小椋 翔(フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)
一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。
この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。
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