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カメラマンのアシスタントが辛いのは本当|師匠につかずに仕事を受ける順番

夕方のロケ撮影現場で、アシスタントがレフ板と機材を担いで歩く後ろ姿。奥で撮影が進んでいる

カメラマンのアシスタントが辛いというのは、作り話ではありません。給料が安く、拘束時間が長く、上司と部下ではなく師匠と弟子の関係になります。

ただし、ここで終わると順番を間違えます。アシスタントは、カメラマンになるための唯一の道ではないからです。経験ゼロから写真館を開いて、そこから仕事を増やした人がいます。

この記事では、何が辛いのかを先に認めたうえで、別の順番で仕事を受けている人が何をしているのかを説明します。

カメラマンのアシスタントは、何が辛いのか?

給料・拘束時間・師弟関係・肉体労働の4つです。 現場を経験した人が書いたものを読むと、どれも同じところを指しています。

これからアシスタントになろうとしている人が、実際にこう質問しています。

①給料や交通費はでていますか?(日給か、時給か)
②具体的にどのような仕事内容でしょうか?
③レタッチや動画編集などは、フォトグラファーがやるのでしょうか?それともアシスタントですか?
④よく雑用を任せられると聞きますが、どのような雑用でしょうか?
⑤パワハラやセクハラはありますか?
⑥アシスタントがきついとよく聞きますが、どのような点でそう思いますか?
⑦アシスタントをしていてやりがいや、勉強になった部分などあれば教えていただきたいです。

(Yahoo!知恵袋 q14308637459。2026年10月25日に確認)

7つのうち3つが、お金と働く条件のことです(①給料と交通費・⑤パワハラとセクハラ・⑥きつい点)。残り4つは仕事の中身とやりがいです。

つまり、就く前にいちばん見えないのが、お金と働く条件だということです。そこが辛さの元になっています。

1日の流れは、どうなっているのか?

撮影の前と後に、時間がついてきます。 映像の制作会社が、撮影当日の流れを公開しています。

撮影当日は、スタッフよりも早く現場入りすることが少なくありません。
まず行うのは機材チェックです。カメラ本体、レンズ、三脚、モニター、ワイヤレス機器、バッテリー、記録メディアなどを確認し、不足や不具合がないかを入念にチェックします。

撮影終了後も仕事は終わりません。機材の清掃やデータの確認、忘れ物がないかのチェック、翌日の撮影準備まで行って一日が終了します。

(株式会社撮れ高「カメラアシスタントという仕事」。2026年10月26日に確認)

写真の現場も同じです。スタジオのアシスタントをしていた人が、出発前のことを書いています。

余りにも膨大な量の準備を、たった一人のアシでしなくてはならないこともある上に、出発は殆どの場合かなりの早朝ですから、徹夜で準備して仮眠をとってからフラフラで出発することも多いです。

(Yahoo!知恵袋 q12154683287 のベストアンサー。2026年10月26日に確認)

撮影している時間だけが仕事ではありません。 積み込み・早朝の出発・撤収・帰ってからのバックアップが加わります。ここが時給に入っているかどうかが、最初に聞くところです。

給料はいくらもらえるのか?

かつては無給でした。 徒弟制度として、技術を教わる代わりに給料は出ないという形が業界にありました。この話は現役のカメラマンがブログで公開しています(「撮影アシスタントが昔は無給だったって話」。2026年10月25日に確認)。

いまは支払われる現場が増えていますが、日給制と時給制が混ざっていて、交通費の扱いもばらばらです。募集を見るときは3つを確認します。

  • 日給か時給か。 同じ日給でも、朝の積み込みから帰社までが入るかどうかで中身が変わります
  • 交通費は出るか。 ロケが続くと金額が変わります
  • 撤収と帰社後の作業は、時間に入るか

同じ「アシスタント募集」でも、ここで条件が大きく変わります。

怒られるのは、技術が足りないからなのか?

多くの場合、違います。 現場の段取りが共有されていないことが原因になっています。

アシスタントとして働いている人が、こう相談しています。

現場の空気を読むのはとても大事です。しかし空気を読もうとして何もわからない僕は動けず。
また、アーティスト気質だねと言われました。

これに答えた現役カメラマンの言葉です。

できるだけ「深く考えない」ことです。深読みしようとすればするほど行動がワンテンポ遅れますし、相手をイラつかせることにもなりますしそれで怒られて更に深読みするようになるなど、悪循環に陥ってしまいます。
そもそも経験の少ないアシスタントに、最初からそこまでの専門性は期待していないのです。
何か特別なことをしようなどとは思わずに、ものを持つとか渡す必要があると察したときにはそうするとか、普通の人間なら誰でもできる範囲のことだけしていれば良いです。
分からないことがあるのなら、躊躇って動かずにいるのではなく何でも聞きにきてください。多少撮影の流れを妨げられても、間違ったことをされて大事故に繋がるより余程マシです。

(Yahoo!知恵袋 q14170322179 のベストアンサー。2026年10月25日に確認)

聞けば済むことを、聞けない空気になっている。 これが怒られる回数を増やしています。技術の問題ではありません。

アシスタントをしないと、カメラマンになれないのか?

なれます。アシスタント経験を持たずに始めた人がいます。

「フォトグラファーの学校」の学校長である小椋翔さんは、わが子を撮影するために買った3万円のカメラ1台で写真館をオープンし、そのあとに出張撮影を始めています。師匠につく期間はありませんでした(『増補改訂版 副業するならカメラマン』フォレスト出版・2026年2月、著者プロフィール)。

ここで言いたいのは「アシスタントに意味がない」ということではありません。順番が1つではないということです。

  • アシスタントの順番 技術を身につける → 仕事を受ける
  • 別の順番 撮ってほしい人を見つける → その人に必要な技術を身につける

後者を選んだ場合、最初から誰かの依頼を受けながら覚えることになります。失敗もその場で起きますが、収入が先に立ちます。

小椋さんがなぜこの順番を教えているのかは、小椋翔はなぜカメラ未経験から写真館を開けたのかで説明しています。

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順番を変えると、何が変わるのか?

覚える順番が変わります。 師匠につく場合、現場で使うすべての機材と手順を順に覚えます。全部できるようになってから独立する前提だからです。

需要から入る場合は違います。たとえば七五三の出張撮影を受けると決めたなら、覚えるのは次のものだけです。

  • 屋外の自然光で、子どもを撮る
  • 動き回る子どもに追いつくピントの合わせ方
  • 神社での撮影許可の取り方
  • 納品する枚数と、レタッチの範囲

スタジオのライティングも、商品撮影のセッティングも、この時点では要りません。要るものだけ先に覚えて、受けながら増やす。 これが順番を変えるということです。

どの分野から始めるかの決め方は、フォトグラファーになるには?分野を決めるところからに書いています。

いま辛いなら、何から確かめるか?

辞めるか続けるかを決める前に、3つを数字にします。感覚で決めると、あとで迷いが戻ってきます。

1 時給に直す
月の手取りを、拘束時間(集合から帰社まで)で割ります。交通費が自腹なら引きます。この数字が出ると、続ける判断も辞める判断もしやすくなります。

2 この半年で何を覚えたかを書き出す
機材名・ライティング・段取り。3つ以上書けるなら、学べている現場です。1つも書けないなら、雑用だけを任されている可能性があります。

3 自分で受けられる撮影を1つ決める
いまの知識で受けられるものが1つでもあるか。家族写真でも、ペットでも、物撮りでもかまいません。1つあるなら、辞めても0からにはなりません。

辞めたあとにどう動くかは、「カメラマンはやめとけ」は本当?専業と副業で話が違うも参考にしてください。会社を辞めずに副業として始める場合は、副業カメラマンは稼げる?稼ぎ方3つと始める順番に手順があります。

よくある質問

アシスタントは何年やるものですか?
決まりはありません。1年で独立する人も、5年続ける人もいます。期間ではなく、受けられる撮影が増えたかどうかで判断します。

レタッチはアシスタントの仕事ですか?
現場によります。撮影者がやるところもあれば、アシスタントが一次処理をするところもあります。募集の段階で確認しておくと、入ってから驚きません。

途中で辞めたら、もう働けませんか?
働けます。業界が狭いという話はありますが、スタジオ勤務・出張撮影・副業と、入口は1つではありません。

未経験でもアシスタントになれますか?
募集はあります。ただし「カメラマン アシスタント 未経験」の求人は競合が多く、条件も幅があります。応募する前に、上の3つ(日給か時給か・交通費・撤収は時間に入るか)を確認してください。

作例がないと、自分で仕事を受けられませんか?
最初の作例は、身近な人を撮って作ります。何枚あればいいかは、カメラマンのポートフォリオは20枚以上|4社の応募条件で実際の条件を確認できます。

まとめ

  • アシスタントが辛いのは本当。給料・拘束時間・師弟関係・肉体労働の4つ
  • これから就く人の質問は、7つのうち3つがお金と働く条件について(①給料と交通費・⑤パワハラとセクハラ・⑥きつい点)
  • ロケの例では朝6時集合・21時帰社。撤収と帰社後の作業が時間に入るかを確認する
  • かつては無給だった。いまは日給制と時給制が混ざり、交通費の扱いもばらばら
  • 怒られる原因の多くは技術ではなく、聞けない空気になっていること
  • 現役カメラマンも「経験の少ないアシスタントに、最初からそこまでの専門性は期待していない」と書いている
  • アシスタントは唯一の道ではない。3万円のカメラ1台で写真館を開いた例がある
  • 順番が違う。技術→仕事ではなく、撮ってほしい人を見つける→必要な技術を覚える
  • 辞めるか続けるかの前に、時給に直す・半年で覚えたことを書く・自分で受けられる撮影を1つ決める

辛いかどうかは、続ける理由にも辞める理由にもなりません。決めるのは、その現場で受けられる撮影が増えているかどうかです。

関連記事:「カメラマンはやめとけ」は本当?専業と副業で話が違う/カメラマンになるには?未経験・社会人からの5つのルート/カメラマンになる

※引用した質問と回答は、Yahoo!知恵袋の公開ページから2026年10月25日に確認したものです。投稿者個人の経験であり、すべての現場に当てはまるものではありません。

※給料・労働条件は現場ごとに違います。応募する前に、募集元に直接確認してください。

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執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)

柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。

監修:小椋 翔(フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)

一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。

この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。

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このサイトの監修者の本

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版)

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版/2026年2月)
このサイトで扱っている「需要を先に見つける」という考え方は、この本がもとになっています。