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フォトグラファーになるには?分野を決めるところから

笑顔のクローズアップ(手で顔を囲む)

「フォトグラファーになるには」と調べると、専門学校の案内が並びます。ただ、その前に決めることがあります。

どの分野の写真を撮る人になるかです。ここが決まらないまま学校を探しても、何を学べばいいかが定まりません。逆に決まってしまえば、必要な機材も、学ぶ順番も、依頼の受け方も自動的に決まります。

フォトグラファーとカメラマンは違う?

実務上の違いはありません。 どちらも写真を撮る人を指す言葉で、資格も定義も分かれていません。求人票では同じ意味で使われています。

使われ方に傾向はあります。

呼び方よく使われる場面
カメラマンテレビ、報道、映像の現場。動画を撮る人も含む
フォトグラファー広告、ファッション、家族写真、ウェディング
写真家作品として写真を発表する人

呼び方で収入も仕事内容も変わりません。ただし自分をどう名乗るかは、誰に向けているかの表明になります。 家族写真を撮る人が「フォトグラファー」を選ぶことが多いのは、依頼する側の言葉に近いからです。

どの分野のフォトグラファーになる?

主な分野を、始めやすさの順に挙げます。

ファミリーフォト(家族写真・七五三・お宮参り)
公園や神社に出向いて家族を撮ります。1件あたり1〜3万円ほど。撮影は1時間前後で、週末だけでも成立します。依頼はマッチングサイトと口コミから来ます。副業として始めるならここが最も現実的です。

ニューボーンフォト
生後2週間前後の赤ちゃんを撮ります。撮れる時期が限られるぶん需要が読みやすく、専門性で差がつきます。赤ちゃんの扱いに配慮が要るため、学んでから入る分野です。

母と子の撮影の作例

ウェディング
単価が高い一方、撮り直しがきかない緊張感があります。土日に集中するので、会社員との兼業だと週末が埋まります。経験を求められるため、最初の1件を取るまでが難所です。

ポートレート
人物を作品として撮ります。SNSでの発信と相性がよく、作例から依頼につながります。単価は幅が大きく、価格の設定が難しい分野です。 撮り方は子どもの写真の撮り方は?で扱っています。

商品・広告
物を撮ります。ライティングの技術が要り、機材の投資も必要です。法人が相手なので単価は上がりますが、入り口は紹介や実績経由になりがちです。

スポーツ・報道
望遠レンズなど専門の機材が必要で、会場ごとの取材許可も要ります。副業から入る道としては現実的ではありません。

分野はどうやって選ぶ?

3つの見方があります。

1. 自分の生活圏に依頼者がいるか

子育て中の知人が多いなら家族写真、結婚する年代の友人が多いならウェディング。撮る相手が近くにいる分野は、最初の1件を取りやすくなります。

2. すでに持っている経歴と組み合わせられるか

助産師として働きながら家族写真を撮っている方がいます。のちに自分の助産院を開き、撮影をその中の事業として組み込みました。

自分の助産院の中の事業の一つとして、カメラマンの仕事と着付けの仕事を入れてるんですね。助産院がする新生児のフォトとか、沐浴、母乳相談のパックプランみたいなのを作って、他の助産院とちょっと差別化できてる。
— 助産師として働きながら家族写真を撮っている卒業生

助産師として働きながら家族写真を撮っている方のインタビュー(約17分)

写真を単体で売るのではなく、すでにある仕事の中に置いたという形です。看護、保育、教員、美容。人と接する仕事の経験は、そのまま強みになります。

分野を絞るとは、撮る被写体を狭めることではなく、誰のどんな場面に立ち会うのかを決めることでもあります。横浜・鎌倉で活動する卒業生は、自分の領域をこう説明しています。

人物撮影を中心に撮影させていただいています。マタニティから幅広く、人の何かにまつわることが主なフォーカスです。
— 元・行政職の公務員から転じた卒業生

「七五三を撮る人」ではなく「人生の節目に立ち会う人」という決め方です。この形だと、依頼者が年齢を重ねても関係が続きます。

3. 続けられる時間帯か

ウェディングは土日、家族写真は休日の午前や平日の夕方。自分が動ける時間と、依頼が発生する時間が合っているかを確認します。

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この仕事は、いま何人がやっていますか?

検索すると専門学校のページばかり出てきますが、公的な数字も出ています。

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「商業カメラマン」です(商業カメラマン|job tag)。

項目数字
就業者数69,170人(令和2年 国勢調査)
平均年齢39.8歳(令和7年 賃金構造基本統計調査)
有効求人倍率0.37(令和7年度)
自営・フリーランス85.5%

この2つを並べてください。

  • 有効求人倍率0.37 ── 1件の求人におよそ2.7人。就職の口は狭い
  • 自営・フリーランス85.5% ── 8割以上は雇われていない

就職が狭いことと、この仕事ができないことは、別の話です。

学歴の分布も出ています。大卒40.0%、専門学校卒34.5%、高卒23.6%。 専門学校卒より大卒のほうが多い。そして入職前の訓練が「特に必要ない」と答えた人が36.4%います。

写真の学校を出た人だけの職業ではありません。 独学で届く範囲はカメラマンは独学でなれる?にまとめました。

※数字は更新されます。必ずご自身で最新のものを確認してください。

いまの単価は、いくらですか?

平均年収より、実際に提示されている額を見たほうが早いと思います。

受け方報酬
fotowa(土日祝・1時間)17,550円(基準報酬)
くらしのマーケット自分で設定(手数料20%・最低2,000円)
スクールフォト(会社に登録)1回12,000円(源泉引き後10,775円・交通費なし)
ブライダル(式場の下請け)1件1〜3万円
ブライダル(直接依頼)1件11万円

同じ「写真を撮る仕事」で、ここまで幅があります。

差を作っているのは腕ではありません。誰から受けているかです。

各サービスの登録条件はカメラマンの登録サイトはどれ?、報酬の構造はブライダルカメラマンはきつい?にまとめています。

ひとつ注意があります。 fotowaは登録に有償での家族写真撮影の経験作例20枚が必要です。最初の1件を作る場所ではありません。

選ばれているのは、どんな人ですか?

出張撮影の公開口コミ1,978件を集めて、何が書かれているかを数えました(出張撮影で選ばれる人は何が違う?)。

書かれていた話題割合
写真の出来61.3%
子どもへの接し方47.8%
段取り・時間45.2%
連絡・返信28.4%
納品の速さ21.5%
価格0.3%

写真以外に触れている口コミが82.1%。 写真に一切触れず、段取りと対応だけを褒めているものが28.1%ありました。

そして、値段に触れた口コミは6件だけ。「安かった」と褒めたものは1件もありませんでした。

腕は入口として必要です。ただ、そこで差がついているのではない。 そう読めます。

未経験から何をすればいい?

分野が決まったら、順番はどの道でも同じです。

1. 決めた分野に必要な機材だけをそろえる … 最初から高価なものは要りません
2. 撮り方の型を身につける … 絞り、シャッタースピード、ISO感度、光の向き
3. 作例を30枚つくる … 家族や友人を撮らせてもらいます
4. 料金を決める … 頼まれたときに答えられないと、そこで止まります
5. 最初の1件を受ける … マッチングサイトかSNSで募集します

学校に通う、就職する、独学で進めるといったルートの違いはカメラマンになるには?未経験・社会人からの5つのルートで比べています。

経験がない場合、どこから応募できますか?

応募先には順番があります。 求められる経験が違うからです。

公開されている応募条件を、要求の軽い順に並べます(各社の募集ページ、2026年8月〜9月時点)。

応募の条件
ラブグラフ未経験OKと明記いちばん入口が広い
えんフォト経験の明記なし。「カメラマンとしての経験だけでなく人柄を重視園の行事。登録料無料
フォトクリエイト人物撮影経験1年以上。学歴・年齢は不問学校行事とスポーツ
fotowa有償での家族写真の撮影経験作例20枚ここは最初の1件を作る場所ではない

上の2つは、今日の状態でも応募できます。

そして下の2つには「経験1年」「有償の経験」という条件があります。この1年は、上の2つで作れます。

  • 経験を問わないところで回数を踏む
  • そのあいだに作例と、お金を受け取った実績をためる
  • 条件のあるところに応募し直す

順番が逆だと止まります。 fotowaに登録しようとして条件で弾かれ、そこで終わってしまう人がいます。入れる場所から入ってください。

各社の報酬や交通費の違いはカメラマンの登録サイトはどれ?で比べました。

平日に時間がない場合は、どう進めますか?

「土日しか撮れない」は、進まない理由になりません。

この仕事で、土日にしかできないのは撮ることだけです。それ以外は平日の夜にできます。

平日の夜にできること土日にすること
募集要項を読む・応募する撮る
作例を選ぶ・仕上げる現場の下見
料金表を作る
プロフィールを書く
撮影の依頼に返信する

多くの人が止まるのは、撮る時間がないからではありません。 撮ったあとの作業と、料金を決めることを、後回しにするからです。

機材がそろっているのに動けないという状態も、同じ理由で起こります。次に必要なのは機材ではなく、料金を決めて、応募することです。

料金の決め方は出張撮影の料金相場は?にまとめました。

なお、園や学校の行事撮影は9〜10月の運動会、12月の発表会、3月の卒園式に集中します(えんフォトのよくある質問より)。土日に動ける人と、時期が噛み合います。 本業を持ったまま始める形は副業カメラマンは稼げる?で説明しています。

必要なスキルは?

3つあります。専門学校で教わるのは主に1つ目と2つ目です。

撮影 カメラの設定、構図、光の読み方。決まった手順で身につきます
編集 Lightroomなどで仕上げます。撮影と同じくらい仕上がりを左右します
依頼を受ける力 どこに、いくらで、どう見せて出すか。ここが抜けていると収入はゼロのままです

3つ目は自分で身につけるか、実際にやっている人から学ぶことになります。

よくある質問

フォトグラファーになるのに資格は必要ですか?
必要ありません。詳しくはカメラマンに資格は必要?で説明しています。

カメラマンとフォトグラファー、どちらを名乗るべきですか?
撮る分野の依頼者が使う言葉に合わせてください。家族写真ならフォトグラファー、映像も撮るならカメラマンが通じやすくなります。

分野を途中で変えてもいいですか?
問題ありません。ただし最初から複数を並べると、どちらの依頼者からも選ばれにくくなります。ひとつ決めて始め、あとから広げるほうが早く進みます。

専門学校に行ったほうが有利ですか?
広告、ファッション、報道の分野では就職の経路として機能します。家族写真や出張撮影の分野では、必須ではありません。

収入はどのくらいになりますか?
分野と件数によります。目安はカメラマンの年収は420万円?で説明しています。

まとめ

  • フォトグラファーとカメラマンに実務上の違いはない。呼び方は誰に向けるかの表明
  • 先に決めるのはどの分野を撮るか。決まれば機材も学ぶ順番も依頼の取り方も定まる
  • 副業から始めるならファミリーフォトが最も現実的
  • 公的な数字では就業者69,170人・平均年齢39.8歳・有効求人倍率0.37
  • 自営・フリーランスが85.5%。 就職の口は狭いが、8割以上は雇われていない
  • 学歴は大卒40.0%・専門卒34.5%入職前の訓練が「特に必要ない」は36.4%
  • 応募先には順番がある。ラブグラフとえんフォトは今日の状態でも応募でき、フォトクリエイト(経験1年)とfotowa(有償経験+作例20枚)はそのあと
  • 土日にしかできないのは撮ることだけ。 応募・選別・料金の設定は平日の夜にできる
  • 機材がそろっているのに動けないなら、次に要るのは機材ではなく料金の設定と応募
  • 単価はfotowaの土日祝1時間17,550円/スクールフォト1回12,000円/ブライダルは下請け1〜3万・直接11万
  • fotowaは登録に有償の撮影経験と作例20枚が必要。 最初の1件を作る場所ではない
  • 口コミ1,978件では写真以外に触れているものが82.1%、価格は0.3%
  • 「安かった」と褒めた口コミは1件もない
  • 分野は「依頼者が生活圏にいるか」「経歴と組み合わせられるか」「動ける時間帯か」で選ぶ
  • 必要なスキルは撮影・編集・依頼を受ける力の3つ

「フォトグラファーになる」と決めるより、「誰を撮る人になる」と決めるほうが、次の一歩が具体的になります。

関連記事:カメラマンになる

※この記事で紹介した事例は個人のものであり、同様の成果を保証するものではありません。

※資格・税制などの制度は変わることがあります。手続きの前に、所管する機関の最新の案内を確認してください。

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登録は無料です。メールアドレスだけで受け取れます。

執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)

柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。

監修:小椋 翔フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)

一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。

この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。

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このサイトの監修者の本

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版)

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版/2026年2月)
このサイトで扱っている「需要を先に見つける」という考え方は、この本がもとになっています。