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神社の撮影禁止はなぜ増える?カメラマン109人の調査から

神社での家族集合(着物・七五三/お宮参り)

出張撮影を始めると、遅かれ早かれこの一文に当たります。

「当社での撮影業者による撮影はお断りしております」

明治神宮も、熱田神宮も、公式サイトに書いています。大阪天満宮は2026年4月から、家族が撮ることまで含めて全面禁止にしました。

なぜ、こうなったのでしょうか。

「一部のカメラマンのマナーが悪いから」で片づけると、そこで終わってしまいます。もう少し細かく見た数字があります。

実際にトラブルになった人は、何人ですか?

撮影マッチングを運営する株式会社aMiが、登録フォトグラファーに調査をしています(フォトグラファーに聞く、神社の出張撮影ってどうしてる?)。

  • 調査期間: 2024年11月20日〜30日
  • 対象: AMI PHOTO登録フォトグラファー
  • 有効回答: 109件

この中に「これまで神社での撮影でトラブルになったことはありますか?」という設問があります。

トラブルになったと答えた方は、2名でした。

109人のうち2人です。神社での出張撮影は、思われているほど揉めていません。

※この調査は1つのサービスの登録者に聞いたものです。業界全体の数字ではありません。

その2件は、何が起きたのですか?

内容も公開されています。

1. 持ち込み料の件
2. 海外の旅行者が撮影に割り込んできて中断してしまった

1つ目は、お金の話です。 外部のカメラマンが入るときに、施設側が持ち込み料を求めることがあります。これは事前に確認していれば起きません。 誰が払うのかまで含めて、依頼を受けた時点で決めておく話です。

2つ目は、防ぎようがありません。 参拝者の多い神社では起こりえます。

つまり、自分に降りかかるトラブルは、確認漏れか、運か。 どちらもこの記事の主題ではありません。

では、なぜ禁止が増えているのですか?

同じ調査に、もうひとつ設問があります。

「他のフォトグラファーの振る舞いが気になったことはありますか?」

  • はい:60.6%
  • いいえ:29.4%

自分がトラブルになった人は2人。けれど、他人の振る舞いが気になった人は6割です。

ここに答えがあります。神社が見ているのは、あなた個人ではありません。 境内で起きていること全部です。禁止という判断は、一人ひとりの評判ではなく、その場所で起きた出来事の積み重ねに対して下されます。

調査のまとめにも、こう書かれています。

最近ではマナーを守れない一部のフォトグラファーの迷惑行為が原因で、全ての商用撮影を禁止している神社も増えています。

「全ての」です。 守っている人ごと、締め出されます。

依頼を受けてから当日までの進め方は、公式メールマガジンでも説明しています。

具体的に、何が目についているのですか?

「気になった」の中身で、とくに多かったのが2つです。

1. 撮影スポットの長時間独占
2. 大声を出しての撮影

そのほかに挙がっていたのが、たくさんの人がいる中でのシャボン玉を使った撮影と、立ち入り禁止エリアでの撮影です。

どれも、技術の問題ではありません。 シャボン玉は写真を良くする道具です。長く粘るのは、いい表情を待っているからです。良い写真を撮ろうとする動きが、そのまま迷惑になります。

ここが難しいところです。「良い写真」と「良い仕事」は、同じではありません。

現場で本当に困るのは、何ですか?

同じ調査で「その他、神社での出張撮影で困ったこと」として挙がっているものが、実務的です。

  • 参拝者が多いと、他の方が映り込んでしまう
  • 拝殿の撮影は並ぶので、時間がかかる
  • 七五三の儀式中の撮影はNGのところが多い。 可否は必ず事前に確認し、NGの場所では儀式の予定を撮影予約時間に入れないようにしてもらう必要がある
  • 駐車場待ちで渋滞し、家族が揃わず撮影を始められない
  • 着替えなど荷物が多いお客さまの場合、預ける場所がない
  • お客さまがご祈祷をせずに、撮影だけする場合がある

3つ目と6つ目は、依頼を受けた時点で決まります。

儀式中がNGの神社で、儀式の時間を撮影枠に入れてしまえば、当日その分は撮れません。予約の組み方の問題です。

そして最後の1つ。ご祈祷を受けずに撮影だけをする。 これは神社から見れば、境内が撮影スタジオとして使われているということです。禁止が増える理由の、たぶん中心にあります。

ほぼ全員がやっていることは、何ですか?

同じ調査で「神社で気をつけていること」を聞いた結果です。

「他のお客様の邪魔にならないようにしている」は、ほぼ全員でした。

そのほか、ほとんどの方が実践しているものとして挙がっていたのがこちらです。

  • 撮影場所を占領しない
  • 立ち入ってはいけない場所を確認し、入らない
  • 到着したらお参りし、神社の方に挨拶する
  • 正中(真ん中)に立たない。横切るときは気をつける

3つ目は、意外と抜けます。 着いたらまず参拝して、社務所に一声かける。これをしている人と、していない人がいます。

事前の確認方法も出ています。

  • 事前に神社のHPを見て確認:61.5%
  • 現地で神社の方に確認:50.5%

足すと100%を超えます。 両方やっている人が多いということです。片方だけでは足りない、と現場の人たちが判断しています。

明日から、何をしますか?

順番はこうなります。

1. その神社のサイトで、撮影に関する記載を探す(6割がやっています)
2. お客さまに、ご祈祷の予約と撮影の可否を確認していただく
3. 儀式中の撮影可否を聞く。 NGなら、儀式の時間を撮影枠から外してもらう
4. 持ち込み料の有無を確認し、誰が払うかまで決めておく
5. 当日は、着いたらまず参拝し、神社の方に挨拶する
6. 撮影中は、場所を空ける。声を落とす。立ち入り禁止に入らない

この6つは、撮影技術と関係がありません。 けれど、これができない人が増えれば、その神社では誰も撮れなくなります。

逆に言えば、ここは差がつくところです。 断られない人でいることが、そのまま仕事の続けやすさになります。

誰が許可を取るのかは神社の撮影許可は誰が取る?に、公園の場合は公園の撮影許可は必要?にまとめました。

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この記事のまとめ

  • カメラマン109人のうち、自分がトラブルになった人は2人
  • 一方で、他のカメラマンの振る舞いが気になった人は60.6%
  • 神社は個人ではなく、境内で起きたこと全部を見て判断する。だから「全ての商用撮影を禁止」になる
  • 目につくのは撮影スポットの長時間独占大声。ほかにシャボン玉、立ち入り禁止エリア
  • 良い写真を撮ろうとする動きが、そのまま迷惑になることがある
  • 現場で困るのは儀式中の撮影NG・持ち込み料・駐車場・荷物。多くは予約時に決まる
  • ご祈祷を受けずに撮影だけするケースが、禁止が増える理由の中心にある
  • ほぼ全員が「他のお客様の邪魔にならないようにしている」。到着したら参拝と挨拶
  • 確認は事前にHP(61.5%)と現地(50.5%)の両方

※数字はすべて株式会社aMiの調査(2024年11月、有効回答109件)によります。各神社の規定は変わります。必ずご自身で最新のものを確認してください。

執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)

柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。

監修:小椋 翔フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)

一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。

この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。

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このサイトの監修者の本

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版)

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版/2026年2月)
このサイトで扱っている「需要を先に見つける」という考え方は、この本がもとになっています。