ミツモアは、依頼者に見積もりを送って仕事を取る形のサービスです。登録は無料で、価格もエリアも自分で決められます。
自由度が高いぶん、手数料の掛かり方を見ておかないと、相場どおりに出しても手元が薄くなります。
この記事では、ミツモアが公開している手数料と成約相場を並べ、引き算をします。
※以下はミツモア カメラマン事業者募集ページおよびミツモアプロ道場(株式会社ミツモア)の2026年8月31日時点の記載です。条件は変わります。応募前に必ず最新の要件をご自身で確認してください。
見積もりのプラットフォームです。依頼者が「カメラマンを探している」と投稿し、近くの事業者が見積もりを送る。 依頼者が選んで成約、という流れになります。
公式の説明では、依頼総数は700万件を突破しているとされています(写真以外の分野を含む全体の数字です)。
fotowaのように報酬額が決まっているサービスとは、根本的に違います。 価格を自分で決める代わりに、選ばれなければ0円です。
登録先ごとの違いはカメラマンの登録サイトはどこがいい?にまとめました。
料金表に、はっきり書かれています。
成約手数料 31.8%(税込35%)
※サービスによって異なります。
成約したときに35%(税込)が引かれます。 初回登録料0円、月額利用料0円です。
よくある質問にも、同じ数字があります。
初期費用は一切かかりません。費用は自動応募設定をした場合は成約手数料35%(税込)のみです。
「自動応募設定をした場合は」という条件が付いています。 ここが次の話につながります。
自動応募なら0円。手動応募だと別途かかります。
応募手数料 0円
※自動応募の場合。課金応募の場合は応募手数料がかかります。
自動応募がどういうものかも、公式に説明があります。
自動応募を設定すると、事前に設定した価格を元に、お近くの依頼者に見積もり金額を自動で送信することができます。
先に価格を決めておき、条件に合う依頼へ自動で見積もりが飛ぶという仕組みです。応募のたびに手数料を払わずに済むのは、この設定をしたときです。
つまり価格は、案件ごとに考えるのではなく、あらかじめ決めておく形になります。
ミツモア自身が、成約データから算出した相場を公開しています(2024年1月〜12月の成約データ)。
| 内容 | 成約の相場 |
|---|---|
| 出張撮影(七五三) | 15,000〜20,000円 |
| 出張撮影(家族写真・記念写真) | 13,980〜18,900円 |
| 出張撮影(ニューボーンフォト) | 20,000〜25,000円 |
| スナップ撮影(挙式準備+挙式) | 28,980〜40,000円 |
| スナップ撮影(挙式〜披露宴) | 55,000〜70,000円 |
| イベント動画撮影(〜3時間) | 30,000〜40,000円 |
この数字は成約金額です。 手数料を引く前の額と読むのが自然です。
同じページには実際に成約した10件も金額つきで載っていて、ニューボーンフォト36,000円、幼稚園の授与式29,500円、誕生日会19,500円、同窓会スナップ45,000円、宣材写真9,980円といった実例が並んでいます。
出張撮影の価格そのものの考え方は出張撮影の料金相場は?にまとめました。
35%を引きます。
| 内容 | 成約額 | 手元に残る額 |
|---|---|---|
| 出張撮影(家族写真) | 13,980〜18,900円 | 9,087〜12,285円 |
| 出張撮影(七五三) | 15,000〜20,000円 | 9,750〜13,000円 |
| 出張撮影(ニューボーン) | 20,000〜25,000円 | 13,000〜16,250円 |
| スナップ(挙式準備+挙式) | 28,980〜40,000円 | 18,837〜26,000円 |
| スナップ(挙式〜披露宴) | 55,000〜70,000円 | 35,750〜45,500円 |
家族写真と七五三は、相場の上限で撮っても13,000円前後です。
ここから、さらに交通費と機材の減価償却と、撮影後の作業時間が引かれます。撮影1時間の仕事ではありません。 選別と現像の時間はレタッチのやり方は?で試算しました。
条件がそろっていないので、順位ではなく位置として見てください。
| 手数料 | 家族写真1件の手元 | |
|---|---|---|
| ミツモア | 成約時35%(税込) | 9,087〜12,285円(相場どおりに出した場合) |
| fotowa | 報酬が固定 | 平日14,300円/土日祝17,550円 |
| くらしのマーケット | 成約時20%(最低2,000円) | 価格による |
| えんフォト | なし(業務委託) | 1件15,000円(税別)〜 |
相場どおりの価格を出すと、手元に残る額はfotowaの平日報酬を下回ります。
ただし、これはミツモアが不利だという話ではありません。ミツモアは価格を自分で決められます。
手元に14,300円(fotowaの平日と同額)を残したいなら、22,000円で出せばいいという計算になります。
問題は、22,000円が相場(13,980〜18,900円)の外にあることです。相場の中で戦うかぎり、手数料の分だけ手元は薄くなります。相場より高く出して、それでも選ばれる理由を作れるかどうか。 そこが分かれ目です。
fotowaの条件はfotowaのカメラマン登録は?、くらしのマーケットはくらしのマーケットで出張撮影を始めるには?にまとめています。
募集ページの上部に、こう書かれています。
単月200万円売上も!
売上と書かれています。報酬ではありません。
35%を引くと、手元は130万円です。そこから経費が引かれます。
そして「も!」という書き方が示すとおり、これは上限の例です。 何人中の何人かは書かれていません。同じ構造の数字の読み方はラブグラフのカメラマンの報酬は?にも書きました。平均ではなく最高値が出ているときは、母数を探してください。
よくある質問に、必要なものが挙がっています。
メールアドレス・電話番号などをご入力いただいたのち、所定の本人確認書類・資格確認書類の提出や口座情報・カード情報の登録を終えた後に、ご利用を開始できます。
カード情報の登録が要ります。 手動応募をしたときの応募手数料があるためと読めます。
一方で、撮影実績や作例の提出は、この案内に出てきません。 fotowaが有償の撮影経験と作例20枚を求めているのと比べると、入口は広い側です。
エリアと価格は自分で決められ、あとから変更もできると案内されています。
価格を自分で説明できる人です。
ミツモアは、価格が自由なぶん見積もりが並びます。 相場の中に置けば手数料で薄くなり、外に出せば理由が要ります。
逆に言えば、「なぜこの金額なのか」を言えるようになれば、上限がありません。 fotowaやえんフォトのように報酬が決まっているサービスには、この余地がありません。
その説明を作るには、撮る技術とは別の設計が要ります。誰に向けて、何を撮る人なのかを決めるところからです。
その組み立て方は、無料のオンライン講座の第3部で、収益の試算と一緒に説明しています。
数字を見るときは、成約額ではなく、手数料と経費を引いたあとの額を、実働時間で割ってください。
その計算のしかたと、価格に理由をつける設計は、無料のオンライン講座で順に説明しています。
※この記事の金額はいずれも各社が公開している情報であり、同様の成果を保証するものではありません。
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執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)
柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。
監修:小椋 翔(フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)
一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。
この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。
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