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ストックフォトで稼ぐには?1万円に必要な枚数を逆算する

新緑と湖のリフレクション

撮りためた写真が売れるなら、それに越したことはありません。ストックフォトは在庫が働いてくれる形で、寝ている間にも売れます。始めるのも簡単です。

ただ、調べると「稼げない」という声も同じくらい出てきます。どちらも本当です。報酬の仕組みを知れば、なぜ両方の声があるのかが分かります。

この記事では公式に公開されている報酬率から必要な枚数を逆算し、向いている人と向いていない人を分けます。

1枚ダウンロードされるといくら?

サイトによって仕組みが違います。日本で使われている2つの公式情報を挙げます。

PIXTA(出典:PIXTA 獲得クレジットとお支払いについて。2026年8月時点)

買われ方一般クリエイターの取り分
単品購入販売価格の22〜42%
定額制(月11点以上のプラン)0.27〜0.47クレジット/1ダウンロード

Adobe Stock(出典:Adobe Stock ロイヤリティの詳細

写真・イラストはアドビが受け取った販売金額の33%、動画は35%です。

ここで効いてくるのがクレジットの換算です。PIXTAでは1獲得クレジットが105円または108円(インボイスの登録状況によって変わります)とされています。定額制で0.27〜0.47クレジットということは、1ダウンロードあたり約28〜49円です。

つまり、1枚売れて数十円が基本線になります。単品購入なら数百円になることもありますが、定額制プランからのダウンロードが多くを占めます。

夜の海辺と街あかりの写真

月1万円にはどれだけ必要?

1ダウンロード40円として計算します。

目標の月収必要なダウンロード数
1,000円月25回
5,000円月125回
10,000円月250回
50,000円月1,250回

問題は、1枚の写真が毎月ダウンロードされるわけではないことです。売れる写真は繰り返し売れますが、大半は年に数回、あるいは1度も売れません。

仮に「登録した写真の5%が月1回売れる」とすると、月250ダウンロードには5,000枚の登録が必要になります。この比率は撮る内容とサイトによって大きく変わりますが、桁として数千枚が前提になることは変わりません。

これが「稼げない」と言われる理由です。 単価が低いのではなく、単価が低いぶんを枚数で埋める必要があるという構造です。

なぜ「簡単に始められる」と言われる?

矛盾しているようですが、こちらも本当です。

  • 審査はあるが、依頼者とやりとりする必要がない
  • 撮影の予定を空けなくていい。自分の都合で撮れる
  • 一度登録した写真は、消さない限り売られ続ける
  • 顔が写らない写真なら、モデルの許諾が要らない

人と接することなく、自分のペースで進められるという点は、他の写真の副業にない性質です。始めるハードルは確かに低くなっています。

低いのは始めるハードルで、収入になるまでの距離は長い。ここを分けて考えないと判断を誤ります。

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売れているのはどんな写真?

各サイトが公開している人気素材や、購入する側の使い道から傾向が見えます。

買う人は「素材」として探しています。 広告、Webサイト、資料、記事の挿絵。作品として鑑賞するために買うわけではありません。したがって次のような写真が動きます。

  • 人物 … ビジネス、家族、シニア、医療。ただし肖像権の許諾が要る
  • 季節と行事 … 入学、七五三、年末年始。使われる数ヶ月前に登録しておく必要がある
  • 余白がある構図 … 文字を載せる前提で選ばれる
  • 説明的な写真 … 「打ち合わせをしている」「困っている」など、状況が一目で分かるもの

逆に売れにくいのが、きれいに撮れた風景や花です。同じ被写体が大量に登録されていて、買う側が選ぶ理由を見つけられません。撮っていて楽しい写真ほど、既に飽和していることが多くなります。

線路の先にあるトンネルの写真

出張撮影と比べるとどう違う?

写真で収入を得る方法として、ストックフォトと出張撮影はまったく性格が違います。

ストックフォト出張撮影
1件(1枚)あたり数十円1〜3万円
収入が出るまで数ヶ月〜数年最初の1件から
必要な量数千枚月2〜3件
人と接するか接しない接客が半分
撮る内容自分で決める依頼で決まる
積み上がるか積み上がる毎回ゼロから

どちらが優れているという話ではありません。 出張撮影は1件で数万円になりますが、撮影のたびに時間を使います。ストックフォトは時間の切り売りになりませんが、金額になるまでが長くなります。

『副業するならカメラマン』の著者で、フォトグラファーの学校 校長の小椋翔さんは、まず出張撮影から始めることを勧めています。 理由は収入の出方です。出張撮影は最初の1件から現金になり、続けるかどうかを早く判断できます。ストックフォトは数千枚に届くまで結果が見えないため、途中でやめる人が多くなります。

小椋さんの言い方を借りるなら、こうなります。

お腹が空いている人を見つけてから、おにぎりを売りに行く

ストックフォトは「おにぎりを大量に作って棚に並べ、誰かが買うのを待つ」形です。棚が十分に埋まれば回り始めますが、埋まるまでは売上が立ちません。

出張撮影の始め方は副業カメラマンは稼げる?で説明しています。

向いているのはどんな人?

向いている人

  • すでに撮りためた写真が数千枚ある
  • 人と接する仕事を増やしたくない
  • すぐに収入が必要ではない
  • 撮影が習慣になっていて、枚数が自然に増えていく

向いていない人

  • 今月から収入がほしい
  • 撮影の頻度が高くない
  • 「1枚が売れる喜び」よりも金額を重視する

両方やるという選択もあります。 出張撮影で撮った写真のうち、モデルの許諾が取れたものをストックフォトに出す形です。撮影の仕事が先にあれば、素材は自然に増えていきます。

何から始める?

1. サイトを1つ決める

複数に同じ写真を出すことはできますが、最初は1つに絞ります。タグ付けと審査の作法がサイトごとに違うため、慣れるまでは分散させないほうが進みます。

2. まず100枚出す

審査に通る基準を体で覚える段階です。この時点では収入を期待しません。ピントの甘さ、ノイズ、著作物の写り込みなど、落とされる理由が見えてきます。

3. 売れた写真を数える

100枚のうち何が売れたかを見ます。売れた傾向が分かってから、その方向で枚数を増やします。 これをせずに撮りたいものを撮り続けると、数千枚登録しても売れません。

4. 撮影のついでに素材を撮る

ストックフォトのためだけに出かけると続きません。仕事や旅行のついでに、素材になる構図を1枚多く押さえる。この形なら習慣になります。

注意することは?

肖像権と著作権
人が写る写真は、本人の許諾(モデルリリース)が要ります。私有地、建物、商品、キャラクター、ロゴの写り込みも審査で落ちます。

副業の規則
勤務先の就業規則を確認してください。所得の扱いと申告は副業の確定申告20万円は売上じゃない?で説明しています。

報酬率は変わる
各サイトの報酬率や換算レートは改定されます。始める前に公式ページで最新の条件を確認してください。

よくある質問

ストックフォトだけで生活できますか?
容易ではありません。1ダウンロード数十円という単価では、生活費の水準に届かせるのに数万枚規模の在庫が要ります。専業で成立させている人はいますが、多数派ではありません。

スマートフォンの写真でも売れますか?
サイトによります。スマートフォン向けのサービスもありますが、多くのサイトは解像度とノイズの基準があり、一眼カメラのほうが審査に通りやすくなります。

何枚から売れ始めますか?
枚数より内容によります。ただし100枚程度では傾向が見えません。まず100枚出して、何が売れたかを確認するところからです。

同じ写真を複数のサイトに出していいですか?
独占契約をしていなければ可能です。ただし独占にすると報酬率が上がるサイトもあります。

AIで作った画像は登録できますか?
サイトごとに規約が違い、変更も多い部分です。登録前に各サイトの最新の規約を確認してください。

確定申告は必要ですか?
所得(収入−経費)が20万円を超えれば所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要になります。

まとめ

  • ストックフォトの報酬は1ダウンロードあたり数十円(PIXTAの定額制で約28〜49円)
  • 月1万円には月250ダウンロードが必要。逆算すると在庫は数千枚規模になる
  • 「稼げない」と言われるのは単価ではなく、枚数で埋める構造のため
  • 始めるハードルは低い。収入になるまでの距離が長い
  • 売れるのは作品ではなく素材。余白があり、状況が分かる写真
  • すぐに収入がほしいなら出張撮影、在庫を積めるならストックフォト
  • まず100枚出して、売れた傾向を見てから枚数を増やす

撮りためた写真があるなら、試す価値はあります。ただし今月の収入をつくる手段としては向きません。

関連記事:副業カメラマンは稼げる?お金のこと

※この記事の金額は公式に公開されている報酬率から計算した目安です。個人の事例であり、同様の成果を保証するものではありません。

※各サービスの報酬率・換算レート・規約は変更されることがあります。登録の前に、必ず公式ページで最新の内容を確認してください。

※税制と自治体の運用は変わることがあります。実際の申告にあたっては、国税庁の案内を確認するか、税務署・税理士にご相談ください。

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執筆:山野井 孝志(フォレスト出版)

柔道整復師。施術とコーチングの経験はあわせて5万件以上。セラピスト向けのセミナー事業で成約率を10%から60%に引き上げ、後輩のセミナー事業の立ち上げにも携わり、年商6,000万円のビジネスを構築。現在はフォレスト出版に在籍しています。

監修:小椋 翔フォトグラファーの学校 学校長/通称:オグショウ)

一般社団法人日本ニューボーンフォトグラファー協会 代表理事。経営コンサルタント。現在5社経営。わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」「フォトグラファーの学校」を全国で開始し、卒業生は1,400名。日本初のセルフウェディングフォトスタジオ「SELDING」を沖縄に2店舗経営。経営コンサルタントとして3,000人以上を支援。著書に『増補改訂版 副業するならカメラマン』(フォレスト出版)。

この記事は、小椋翔さんの著書・セミナー・受講生へのインタビューと、各サービスの公式情報をもとに構成しています。

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このサイトの監修者の本

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版)

『増補改訂版 副業するならカメラマン』小椋翔・著(フォレスト出版/2026年2月)
このサイトで扱っている「需要を先に見つける」という考え方は、この本がもとになっています。